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【2022年10月】 最低賃金の改定

今年も10月1日より順次、47都道府県全てで「地域別最低賃金」が改定されます。

兵庫県では9月1日に改定に関する官報公示が行われ、10月1日に発効となる予定です。

各都道府県で改定による引上げ額や発効予定年月日は異なります。

(参照:厚生労働省 令和4年度 地域別最低賃金 答申状況)

 

令和4年の改定で全国の最低賃金は30円~33円引上げられることとなっており、

兵庫県では現行の928円から960円へ、32円の引上げです。

昨今の兵庫県の最低賃金額の推移を見てみますと、2019年には871円から899円に、

2020年は899円から900円に、2021年には900円から928円に改定されています。

2019年度、2021年度の28円引上げも大きなものでしたが、

本年度はそれを上回るものとなりました。

経営に携わる皆様方にとっては多大なご負担もあることと存じますが、

改定の発効までに、従業員の方の賃金が最低賃金割れとなってしまわないかをお確かめください。

 

 

最低賃金とは

最低賃金法に基づいて国が定める賃金(時間給)の最低基準です。

対象となる賃金は一か月ごとに支払われる基本給

(パート・アルバイト等の時給制で働く従業員に関しては各々の時間給、

月給制や日給制の従業員に関しては各々の基本給+諸手当を労働時間で割って

算出した時間給)です。

ただし、残業代や賞与、通勤手当や家族手当などは計算に含めずに

この基準をクリアする必要がありますのでご注意ください。
(参照:厚生労働省 最低賃金の対象となる賃金)

事業主が最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には

最低賃金額との差額を支払わなくてはならないことが定められており、

支払わない事業主には罰金が科されます。
(参照:厚生労働省 最低賃金制度とは)

 

 

地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金

最低賃金には二種類あります。

①地域別最低賃金

「各都道府県」ごとの最低賃金を定めるものです。 産業や職種にかかわりなく、

都道府県内の事業場で働くすべての従業員とその事業主に適用されます。

(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、

すべての従業員に適用されます)

毎年8月~9月に金額の改定が審議・答申され、10月に改定が発効となります。

事業主が差額の支払いをしなかったときには、最低賃金法40条を根拠に50万円以下の

罰金が科されます。

②特定(産業別)最低賃金

「地域別最低賃金より高い最低賃金水準を定めることが必要と認められた産業」ごとの

最低賃金を定めるものです。

どの産業が上記のものに認められるかは都道府県によって異なっています。
(参照:厚生労働省 令和3年度 特定最低賃金の審議・決定状況)

事業主が差額の支払いをしなかったときは労働基準法違反として30万円以下の罰金が科されます。

※改定時期が異なることから①が②を上回る期間が存在するケースもありますが、

その場合は①が最低賃金となります。

 

特例による最低賃金の減額

一般の従業員より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用すると

かえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため

特定の従業員については、事業主が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として

個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
(参照:厚生労働省 最低賃金の適用される従業員の範囲)

①地域別最低賃金を減額できるのは

・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
・試の使用期間中の者
・基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者
・軽易な業務に従事する者
・断続的労働に従事する者

②特定(産業別)最低賃金を減額できるのは

・18歳未満又は65歳以上の者
・雇入れ後一定期間未満で技能習得中の者
・その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する者など

 

 

「最低賃金の試算がしたいけど、この手当は最低賃金に含めていいの?」

など毎年一定数のご質問をいただいております。

ご不明な点がありましたら当法人までお気軽にお問い合わせくださいませ!

 

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