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残業代未払を発生させないために
今月(2019年12月)、報道各社からコンビニエンスストアで残業手当の一部が未払いだったというニュースが大きく報じられました。
実態は定かではありませんが、問題のあったコンビニエンスストアでは過去にも計算式のミスがあり、計算式を正しいものに変更していたと取り上げられています。
しかしその後、固定給勤務者の残業手当は問題なく計算されるようになったものの、アルバイトなどの時給勤務者の数式が誤った数字のままで処理されており、今回労働基準監督署から指摘を受けるまで間違いが正されていなかったというものでした。
今回は、報道の真意を問うお話ではなく、一般的に起こりえる給与計算の間違いについて解説していきます。
給与計算の間違いには、「残業代の計算間違い」というケースが多いです。
給与計算ソフトを利用している場合、税率や保険料率、法改正など変更があると自動的にバージョンアップ対応するので正確に計算されますが、エクセルや電卓で計算している場合は、数字が古いままだったり、計算式を手動で変更しなければならなかったり・・・と、どうしてもミスの発生確率が高くなります。
人が行うことには必ずミスが発生するものです。
単価の計算方法が間違っているため、知らずに残業代が未払になってしまう場合もあります。
また、ミスに対して責任を徹底的に追及するような厳しすぎる組織のため発覚が遅れたり、追及を恐れて報告「できない」ケースもあります。
大切なのは、ミスが起こってしまう前に労働時間の管理方法を整え、労使それぞれが納得する形で、労働時間の管理をしていく必要があると私たちは考えます。
厚生労働省資料から見る、残業代未払問題
働き方改革を追い風に、昨今、厚生労働省から労働基準法違反事例の発信が活発化しています。
労働基準関係法令に違反し、書類送検された会社については、2017年5月より「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として企業名の公表が毎月更新され、また、「監督指導による賃金不払残業の是正結果」は、年度ごとにまとめられ、是正により労働者に支払われた不払賃金総額が1企業で合計100万円以上となった事例が公開されています。
【参考】監督指導による賃金不払残業の是正結果 (平成30年度):厚生労働省
労働基準法の消滅時効が「5年」に変更されるかも?
労働基準法における労働者から会社に対する請求権の時効は、現在のところ「2年」とされていますが、2020年4月から、民法における債権の消滅時効が5年に延長することになりました。
民法の時効のルールが大きく変更されることから、この改正に合わせて、現行の労基法における賃金債権の消滅時効も、2年から5年に延長される可能性も高いようです。
昨今、多くの経営者さまが、労働時間管理を徹底されておりますが、今一度この機会に、毎月の給与計算における労働時間の考え方や給与計算方法を確認してみてください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。